空き家対策について
【空き家の適切な管理は所有者等の責任です】
■ 空家等対策の推進に関する特別措置法
「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家法)」が平成26 年11 月に成立し、平成27 年2 月に施行(全面施行5月)されました。この法律では空き家等の適切な管理に努めるよう、所有者等の責務が定められています。
また、図のような状態にある場合、区市町村から『特定空家等』と扱われ、助言、指導等を受けることがあります。
■民法に基づく責任
空き家に限らず所有している家については、「隣地の庭木の枝が隣の家の境界線を越える」場合や、「土砂などが隣地に崩れ落ちそうになっている」場合などには、その隣地の所有者などから対策を求められることがあります。
さらに、空き家などの保存状態が悪いことなどで他人に損害を与えた場合、例えば「空き家の瓦が落ちて隣家の屋根などに傷をつけてしまった」場合などには賠償責任を負う場合があります。
これは家に限らず、塀や竹木など敷地内の全てのものが対象になります。
■建築基準法に基づく責任
建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めることが求められています。
【空き家の適正な管理】
◆ご近所にお声掛けする
空き家になることが分かったら、ご近所の方にもその旨を伝えておき、緊急の場合に備えて、自身の連絡先も伝えておいてください。
空き家になった後も、できるだけこまめに近隣に声掛けしておくと、近隣の方も安心されると思います。また、建物の管理と併せて、周辺の状況などを確認しておくと、不法侵入者・不法投棄等のリスク回避にもつながります。
◆火災保険に入る
空き家は、たとえ定期的に管理をしている場合でも、人が住んでいる家屋
に比べて火災や風災、盗難に対するリスクが高くなります。
特に、今は誰も住んでいないけれど、いつか売却したい、賃貸に出したい
とお考えの方は、火災保険に加え、水災、盗難、水漏れなどに対応した保険
への加入を検討しましょう。
◆不審者の侵入等を予防する
人を感知して点灯する照明器具(人感センサー付ライト)などの設置は、不審者の侵入防止に効果的です。
塀や柵、生垣などは、定期的に手入れし、見通しを良くしておき、周りに足
がかりになるようなものを置かないようにしてください。
◆定期的な点検とお手入れ
できるだけこまめに管理するようにしてください。また、大雨や台風、地震
の後は必ず点検を行う必要があります。
遠方に住んでいる、年齢的につらくなってきた等の場合は、専門の管理業者に委託すること可能です。当社でも空き家管理を請け負っておりますので詳細はお問い合わせください。
【空き家の管理サービスについて】
空き家の管理サービスとは、空き家の所有者等に代わって、外観の確認・点検や室内の通風・換気などを行うサービスです。
報酬を得て管理サービスを提供する事業者は、不動産業や管理業者
のほか、工務店、造園業者、警備業者など多岐にわたっています。
管理の内容によって金額が変わりますので、適正な価格を知った上で依頼してください。
当社でも空き家管理を受託しておりますので詳細についてはお問い合わせください。
【空き家の有効活用】
お持ちの空き家の状況に応じた活用方法を検討してください。
空き家の活用方法の主なメリット・デメリットは図を参考にしてください。
◆事前調査
空き家の活用や売却に当たっては、様々な制約があります。
どれだけ劣化しているのか、どんな規制があるのか、いくらで売却できるのかなど、これらの条件を整理することで、より具体的な検討が可能になります。
◆接道について
建物を建てる敷地は、幅4m 以上の道路に2m 以上接していないと、原則、建築することができません(接道義務/建築基準法第43 条)。
敷地が接する道路の幅が4m未満の場合、建替えの際に原則として道路の中心から2m後退(セットバック)する必要がありますので、確認することが大切です。
◆活用が難しい条件について
接道義務を果たしていない、土地が非常に狭いなどのため建替えができないなどの土地の条件、建物の老朽化、駅から遠い立地などで活用において不利になる場合があります。その場合の解決策としては隣家に売却する事や住宅以外の用途で活用するなどがあります。
また、隣地との境界が不明確、借地の契約内容が不明確など、権利関係で事前の調整等が必要になる場合があります。借地契約の確認、測量の実施や境界確定が必要となる場合がありますので不動産会社等へご相談ください。
【賃貸で募集する】
売却を希望しない、またはすぐに売却する予定がない場合は賃貸に出して収益化する事も可能です。
賃貸に出す場合は設備が故障していたり、汚れたままの状態では貸すことが困難ですので、必要な箇所について修繕・クリーニングをする必要があります。
空き家の状態が悪い場合はリフォーム代で多くの費用が必要となる場合がありますので、事前に見積を依頼してください。
空き家の立地や状態次第で希望する賃料を見込めないこともありますので不動産会社に賃貸に出した時の査定を依頼し、どれくらいの賃料を得ることができるのかを確認する事が必要です。
高い費用を出してリフォームをしたにもかかわらず、入居者が見つからないという事がないように事前に調査・対策をする事が大切です。
当社では空き家を賃貸に出したい方のために相談を随時受付しております。リフォームの見積、賃料査定、入居者募集、重説・契約書作成、保証会社の加入手続き、入居中の管理、退去時の物件状況の確認、退去精算手続き等について全てもしくは選択して依頼していただく事が可能ですのでお気軽にお問い合わせください。
より詳しい内容は「物件を貸したい」を参考にしてください。
【売却をする場合】
相続をした後は空き家で放置している場合や管理委託や賃貸も考えていない場合は売却をするという選択肢があります。
空き家の売却を検討する場合は不動産業者へ相談する前に解体をしないようにしてください。更地にした後に土地が建築基準法上の道路に面していないという理由で再建築ができない事があり、また、古家をリフォームして賃貸する事を前提に空き家の購入を検討している投資家の方や不動産業者もいます。状態次第では解体して更地の状態で売却した方がいいケースもありますので、事前に不動産業者と協議してください。
売却についての流れは図の通りで、物件の査定を不動産業者に依頼し、現地調査等を行った後に不動産業者が売出価格の査定書を作成します。売出提案価格は買取金額ではありませんので、高い査定金額を提示した不動産業者に依頼する事が必ずしも正しいとはいえません。査定書の内容や担当者の力量などを総合的に考慮して媒介依頼する必要があります。
媒介契約には一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類あります。一般媒介は1社だけではなく数社に媒介を依頼する事が可能ですが、レインズへの掲載義務がないため、広く周知されない事もあります。
専任媒介や専属専任媒介は1社のみ依頼する事になりますがレインズへの掲載義務があるため、たくさんの不動産業者が情報を得ることが可能です。
それぞれ一長一短がありますので不動産業者へ相談し、売主様や物件にとって最適な媒介契約を選択してください。
売却の募集前に不動産業者は現地調査、登記関係の調査、役所関係の調査等を行い募集資料を作成しますが、調査をしても発見・判別できない事がありますので、売却後に購入者とトラブルにならないよう物件の欠点や告知事項等を依頼される不動産業者へありのまま伝えてください。
より詳しい内容は「物件を売りたい」を参考にしてください。
売却査定をご希望の方はこちら
【相談窓口について】
今後も空き家は増加していく事が予想されますので、早期に対策をする事が必要です。
早期に対策する事で空き家を収益化したり、売却する事も可能になりますが、放置していると空き家は劣化が進み、相続を繰り返すことで誰が所有者がわからない、所有者が複数となり意見が一致せず収益化や処分もできない状態になっている物件もあり、放置する事で権利関係が複雑化することもあります。
行政機関や各種士業、宅建・不動産協会など空き家対策に関する相談窓口は増えております。
当社でも空き家対策についての相談を随時受け付けており、最適な解決法を一緒に検討しますので、空き家についての悩みや相談事がありましたらお気軽にご相談ください。