不動産に関するQ&A

【管理費・修繕積立金の滞納があるマンションの購入】
Q. 私が購入したマンションについて、管理費・修繕積立金の滞納があることが判明しました。購入者に滞納金の支払義務は承継されるのでしょうか。

A. 買主は、売主の管理費・修繕積立金支払義務を引き継ぎますので、仲介業者は、買主に対し、滞納の有無と滞納額を説明しなければなりません。

 区分所有法には、区分所有者が規約・集会決議に基づいて他の区分所有者に対して有する債権は特定承継人に対しても行うことができると定められています。管理費・修繕積立金は、通常規約・集会決議に基づきますから、買主は売主の管理費・修繕積立金支払義務を承継することになります。
 標準管理規約には「この規約は、区分所有者の包括承継人及び特定承継人に対しても、その効力を有する」という条項があり、また実際多くのマンションの規約で、管理費・修繕積立金支払義務の承継が決められていますが、このような規約の条項は、区分所有法の規定を確認したものです。
 
 買主の管理費・修繕積立金の支払義務承継は買主が滞納を知っていたかどうかにかかわりません。もし買主が売主の滞納を知らずにマンションを購入していたとしても、売主の滞納していた管理費・修繕積立金の支払義務を引き継がなければならないことにかわりはありません。

 以上の区分所有法の定めを受けて、仲介業者は、仲介に際し、区分所有権に関し、「建物の計画的な維持修繕のための費用の積立てを行う旨の規約の定めがあるときは、その内容及び既に積み立てられている額」(修繕積立金)、及び、「建物の所有者が負担しなければならない通常の管理費用の額」(管理費)を重要事項として説明しなければならず、また修繕積立金や管理費に滞納があるときには、滞納額も説明しなければならないこととされています。仲介業者に対し買主への説明義務を負わせることにより、管理費・修繕積立金に関し、買主が予期せぬ支払義務を負うことのないようにしているわけです。