不動産に関するQ&A
Q. 私の勤務先に6日前に宅建業者の来訪があり、その業者を売主とする住宅購入について、執拗(しつよう)に勧誘を受けたために、その場で申込みをしてしまいました。クーリングオフによる申込みの撤回ができるでしょうか。
A. 申込場所がご質問者の勤務場所であり、かつ、申込日が6日前なので、クーリングオフによる申込みの撤回が可能です。仮に申込みの際、申込みを撤回できる旨及び申込み撤回方法の告知を受けていたとしても、その後8日を経過していませんから、クーリングオフの権利を行使することができます。
一時的な感情で商品購入を申し込み、あるいは売買契約を締結したけれども、購入申込みや契約締結の状況が冷静な判断を行うには不適当な状況だったときには、購入後一定期間、買主・申込者から通知をすることによって、申込みの撤回や契約解除が認められます。これがクーリングオフの制度です(宅建業法37条の2第1項前段)。
クーリングオフの権利は、申込みの撤回や契約解除を通知することによって行使しますが、申込みの撤回や契約解除の通知は、書面によらなければなりません。契約解除・申込みの撤回は、書面を発した時に、その効力を生じます(37条の2第2項)。書面については、確実性や後日の紛争防止を考えれば、内容証明郵便を利用すべきです。
申込者・買主がクーリングオフの権利を行使した場合、売主業者は損害賠償又は違約金の支払を請求することはできません。申込みの撤回・契約解除が行われた場合、業者は、速やかに、手付金などを返還しなければなりません(37条の2第3項)。
クーリングオフに関する規定は強行規定です。法律の定めと異なる特約を付したとしても、特約が買主・申込者に不利な内容であるときには、その特約は無効とされます(37条の2第4項)。